ゆとりはお呼びでないですか?

平々凡々におめでたく暮らす

【マルチ商法に引っかかりそうになったことが3回あるんだけど、バカにされてるのかなって思って考えてみた】

この間、看護師の友達と話していたら「マルチ商法に勧誘してくる人」の話題で盛り上がりました。なんでも友達の先輩が「やりたいことをやろうと思って」と、長年勤めていた病院を辞めることになったそう。その先輩からは尊敬するオジサンを紹介すると言われたり、美容サプリを勧められたりしたそうです。

 

かくいう私も、マルチ商法の勧誘には3回くらい遭遇しています。そもそもマルチについて小学校の社会の教科書に載っていたもの…?という認識しかなかったので、そのときは全然気が付かず、あとから「あれってマルチだったんだ…」と気づくことがほとんどです。

 

■1人目:Yさん(26歳男性)飲み会で知り合った元アパレル店員

 

 

一番最初に勧誘してきたのは、かつて原宿のアパレルメーカーで販売員をしていた26歳の男性Yさん。彼とは21歳くらいの頃に飲み会で知り合いました。Yさんは安いコーヒー1杯でカフェに長時間居座って、自分の人生について語り始めました。

 

Yさんがアパレルで働いているときは、手取り額が15万に満たないこともある激務薄給だったのだそうです。あるときふと目にした10歳年上の先輩の給与明細を見て、今の自分の給与額とほとんど変わらないことに絶望したと言います。「こんな給料で俺の未来はどうなるんだろう…」。そんなときにイベントで出会ったのが「自分の価値観や人生を変えてくれた」という30歳の女性でした。

 

その女性には素敵な旦那さんと子どもがおり、好きな仕事をしてガッツリ稼いでいると言います。

「大丈夫だよ、Y君は素敵だから絶対変われる!そんな仕事しているのもったいないよ、もっと自分の可能性を信じて…!」

 

彼女に感化され、Yさんは仕事を辞めて、事務員に転職。そして今は彼女の指導のもと、不労所得を目指しているというではありませんか。なんでも彼女の勧める「良質な商品」を大量に購入し、色んな人に価格を上乗せして販売するのだそうです…。

 

 

■2人目:Oさん(推定40歳男性)スーツ屋さんでバイトをしていたころのお客さん

 

 

 

2人目は、スーツ屋さんでバイトをしていたころ、スラックスを選んでいたお客さんです。色白でちょっとだけぽっちゃり体型でした。スラックスのサイズを聞くと「86センチだよ。これでも俺、痩せたんだよ。昔は100センチ以上ウエストのサイズがあった」と言うので、すごいですねー、そんなに痩せてみたいですー、などと返していたら、スマホを取り出して太っていた頃の写真を見せてきました。

 

「ほら、すごいデブでしょう?あとね、知り合いにすごく可愛い子がいるんだけどその子も痩せて別人みたいになったんだ。ほら…」

画面にうつっていたのは、ほっそりした美人な女性。どことなく戸田恵梨香に似ていました。その方のビフォー写真も見せてもらいましたが、確かに別人のようでした。へー、どうやって痩せたんですか?と聞くと、その人は私に名刺を渡してくれました。

 

「ここに連絡してくれれば、とっておきの商品を安く紹介するよ。この子も俺もそれで劇的に痩せたから」

「え、商品…って、いくらくらいなんですか?」

「まあ、安くはないけど、連絡くれたらちょっと値引くよ。でも使ってみると人生変わるから」

そう言って、スラックスを買わずに(!)帰っていきました。あとで商品名をググったら有名なマルチ商品でした。

 

■3人目:Mさん(32歳女性)職場で出会った派遣社員

 

やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!

やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!

 

 

前職で同じフロアの会社に勤めていたMさん。たまにトイレですれ違って軽く挨拶をする程度の関係でしたが、ある日会社から駅までの帰り道が一緒になり、そのまま飲むことに…。恋愛トークをしているときにMさんはふと語り出しました。

「私の妹がね、結婚したの。友達もだいぶ結婚してるし、焦っちゃってロクな男を捕まえなかった」

今は好きな人はいるんですか?と聞くと

「うーん…。私の人生を変えてくれた、すごくすごく尊敬する人はいる。でも、その人は素晴らしい人だから、私のことは恋愛としてみていないと思うなぁ…。でも私はすごく尊敬していて、その人みたいになりたいっていう目標ができたからいいんだ!そうだ!よかったらリズムちゃんも今度その人に会ってみる?」

そうして連絡先を交換したのですが、後日めちゃくちゃイベントやセミナーのお誘い連絡がくるようになりました。既読スルーしてもやむことはなく、ブロックせざるを得ないことに。あとで聞くと同じ職場にも同じ手口で誘われた女性がいました。

■とりあえず、マルチ商法を勧めてくる人ってこんな感じだと思う

 

友達のなかにもマルチに引っかかりそうになった人は結構いて、ついでに私の弟も友達に誘われたことがあるようです。で、盛り上がったのが「マルチ商法を勧めてくる人」の特徴。

  • 「金持ち父さん貧乏父さん」の本を勧めてくる

 

金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん

 

 

前述の元アパレル店員のYさんに「人生を変えてくれるいい本を紹介するよ!」と言われたため、大型書店に行くことになりました。書店について早々、勧められたのが「金持ち父さん貧乏父さん」です。

 

「俺の尊敬する女性もそれを読んでたって言ってて。俺も読んだけどすごいいいよ」と言われたんですが、なぜ今さらこのロングセラーの本を勧めてくるのか意味不明…。買え買えとしきりに言われてイラッとしました。あとから知ったんですが、この本は夢の不労所得についても書いてあるそうです。

  • ダイエットサプリや美肌サプリを勧めてくる

現代の医療はアブナイと言いながら、健康や美容にいいと言われるサプリを執拗に勧めてきます。実際に商品そのものの効果はあることが多いようですが、ねずみ講なので会員登録をしなければならなかったり、価格が高かったり。「痩せたいでしょう?」「美肌になりたいでしょう?」と、他人の弱みに付け込んで勧めてくる傾向があります。

 

これは弟から聞いたんですが、マルチの人は浄水器をしきりに購入しろと勧めてくるそうです。Facebookのお気に入りリストには浄水器があるのだとか。「東京の水道水は危険だから!」「普通の浄水器と比べて味も全然違うの!」と熱心に説明してくるようです。

  • 「尊敬する人」を紹介してこようとする

しきりに自分の人生を変えた「尊敬する人」を紹介してこようとします。その「尊敬する人」は、とにかくお金持ち高収入。容姿が整っていたり、恋も収入も得ていて勝ち組モード全開な人が多いです。趣味がゴルフとかパーティーとか、そんなのばっかり。

「その人に会って人生変わったの!」「好きなことして暮らしたいって思ったの!」

という台詞が特徴的。目に見えてわかりやすくキラキラした「幸せ」と「成功」を手にしている人たちです。実際に私もYさんに尊敬する30歳の女性とやらを紹介されたのですが、その女性と話しているYさんと女性の関係は、神と崇める人という感じでした。「忙しくて時間がない人だから会ってくれるだけでもありがたいんだよ」と言っていたYさんよ…。

 

■とりあえず、マルチ商法に引っかかる人ってこんな感じ

  • 今の仕事に不満がある(特にお給料面で)

私がマルチに誘われたのは、就活をしていなくて不安なときやフリーターをしていたとき、仕事に不安があるときなどが多かったです。そういうところに付け込んでくるんでしょうね…。

 

「持っていれば幸せになれる」というお手軽グッズを集めている人は、きっとゴージャスなパーティーに招待されて「あなたもネットビジネスで稼げるわ!可能性を信じて!」と言われればコロッとだまされそうです。NOと言えない人もそのまま流されそう。

 

  • 自分に自信がない

自分に自信がない人は「自分に秘められた才能」を見出されることに弱いです。ポテンシャルあるよーとか、あなただったらきっとできる!みたいな言葉に「こんな私でも見つけてくれるなら、ついていこう…」と思ってしまうのかもしれません。

 

 

 

■信じる者は今だけ救われる、かもしれない

上述した派遣女性のMさんとは、話を聞いたときにマルチ商法だと気付いて、それとなく「その尊敬する人って怪しくないですか?」と聞いたのですが、「私も最初はそう思ったの。でも会ってみればわかるから…」と言われてしまいました。

信じる者は救われるんですかね。YさんやMさんがこれからどうなっていくでしょう…。マルチに勧誘されないようシャキッとしようと思います。